
天照大神は左目から誕生した?祀られている神社や天皇家との関係とは
2020.09.30
Trimaパワスポ編集部
天照大神と言う神の名を聞いたことはあるが、詳しいことは知らない…と言う方のために、天照大神について詳しく解説していきます。天照大神が祀られている神社はもちろん、性別や神話、左目から生まれたと言われる言い伝えや、卑弥呼や天皇との繋がりについても追求していきます。
目次
- 天照大神はどんな神様?
- 天照大御神と表記されることもある
- 天照大神について
- 父はイザナギ、母はイザナミ
- 日本神話の主神
- 性別は女性(女神)
- 天照大神男神説もある
- 日本の総氏神
- 太陽神と巫女の性格を持つ
- 天照大神は左目から誕生した
- イザナギが体を洗ったことで神々が誕生
- 顔を洗ったら左目から天照大神が誕生
- 天照大神と天皇家との関係
- 天照大神は皇祖神
- 女性天皇の姿が反映
- 皇室の祖先と言われたこともある
- 天照大神の神話
- 天岩戸に隠れた
- 天照大神は卑弥呼説
- 別名オオヒルメノムチが卑弥呼と符号
- 天岩戸に隠れた時期が卑弥呼が亡くなった時期に相当
- 卑弥呼説には問題点もある
- 天照大神が祀られている神社
- 伊勢神宮内宮
- 天岩戸神社
- 今宮戎神社
- 大御神社
- 廣田神社
- 天照大神はとても偉大な神
天照大神はどんな神様?
日本の神々について、詳しくないと言う方でも「天照大神」と言う神の名は、聞いたことがあると言う方がほとんどでしょう。
それだけ、天照大神は非常に偉大な神様なのです。そんな天照大神について詳しく解説していきます。日本の歴史を知る、日本のことをもっと知るうえで非常に大切なことです。
天照大御神と表記されることもある
天照大神は、「古事記」では「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」と記載されていますが、「日本書紀」では「天照大神(あまてらすおおかみ)」と記載されています。
また、別名で「大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)」と言われることもあります。さらに、神社によっては「大日女尊(おおひるめのみこと)」であったり、「大日孁(おおひるめ)」、「大日女(おおひめ)」ともなります。
どの呼び名も天照大神のことです。そして、神職が神前にて、天照大神の名を唱える時には「天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)」と唱えます。
天照大神について
それでは、天照大神について詳しく解説します。どんな神様なのか、どんな性格なのか…について触れていきます。天照大神のことを知ることによって、日本の歴史について深く知ることができるでしょう。
父はイザナギ、母はイザナミ
天照大神の父は伊耶那岐(イザナギ)で、母は伊耶那美(イザナミ)です。イザナギとイザナミは、天の神々から国づくりを任せられた神です。
国づくりは非常に苦労したようで、まずは淡路島ができて、そこから四国や九州、本州などを作ったと言われています。国づくりを終えたあとイザナミは神を産みます。
多くの神を産み、最後に産んだ火の神(カグヅチ)産んだことで火に飲まれてしまい、イザナミは絶命しました。そして、黄泉の国から逃げ帰ってきたイザナギが左目をすすいだ時に天照大神が誕生したと言われています。
日本神話の主神
日本神話の主神である天照大神は、高天原を統べる主宰神であり、そして皇室の祖とされる神「皇祖神」でもあります。そのため、伊勢神宮で祀られています。兄弟には月読命・須佐之男命がいます。この3人の神を三貴子と言います。
性別は女性(女神)
天照大神についての性別は、はっきりと記されたものはないのですが、「日本書紀」にて弟のスサノヲに「姉」と呼ばれていることから女性であると言われています。
そのため、昔から女神として理解されています。天照大神の別名である「大日孁貴(オホヒルメノムチ)」には、大には尊称、貴には高貴な者、日孁は日の女神と言う意味があると言われているので、このことからも女神と言うことがわかります。
女性のことを「メ」と言っていたとの記録もあるので、やはり女性の神であると言うことが有力です。
天照大神男神説もある
実は、天照大神は男神であったと言う説もあります。理由としては天照大神は太陽神ですが、世界での太陽神は男神なのです。太陽神で女性と言われているのは天照大神だけです。
そのため、天照大神は男神であって、現在言われている天照大神は、巫女だったのでは?と言われています。天照大神と言う名は、襲名だとすれば2代目、3代目の天照大神がいてもおかしくありません。
そして、初代の天照大神は男神であってその妻が瀬織津姫だったのでは?と言う説もあるのです。そして、江戸時代に作られたと言われている京都の岩戸山にある天照大神の像は男性の姿をしているのです。
その他にも、天照大神は男だったのでは?と言う説が色々と残っていますが、一般的には天照大神は女神とされています。伊勢神宮を始め、様々な神社で女神として祀られています。
日本の総氏神
皇室からも崇敬されていた天照大神は中世以降、天皇家の氏神としてだけではなくて、日本の総氏神として日本全体で信仰されています。
特別な存在であって、偉大なる神であることがわかります。そのため、日本全国で天照大神を勧請した神明神社は多数存在しています。なんと、1万8千社にもなると言われています。
太陽神と巫女の性格を持つ
天照大神は、天空を照らす偉大なる神であり、太陽神と言われています。そして、太陽神としての性格と、巫女としての性格を持ち合わせていると言われています。
農耕神、機織神などの性格も合わせもっており、それだけでも偉大な神であると言うことがわかります。神御衣を織らせ、稲を作り、そして大嘗祭を行う神であることから、巫女でもあると言われているのです。
天照大神は左目から誕生した
先ほども軽く触れましたが、具体的に天照大神がどのように誕生したのかを紹介していきます。偉大な神がどのように誕生したのかは、とても興味深いものです。
そして、天照大神について深く知ることによって、他の神々についても知識を得ることができます。神について知ることができると、全国各地の神社へ足を運ぶ時にも、どんな神が祀られているのか知識を深めたくなるものです。
イザナギが体を洗ったことで神々が誕生
天照大神は、黄泉の国から逃げ出してきたイザナギが禊のために体を洗ったことで誕生したと言われています。禊をした場所が、現在の宮崎県北部にある江田神社の隣にある「市民の森」です。
非常に神聖な場所とされており、宮崎県では有名なパワースポットとなっています。イザナギは、イザナミが亡くなったことを悲しみ、黄泉の国まで追っていったのですが時はすでに遅かったのです。
そして、黄泉の国の穢れを落とすために、禊を行ったと言われています。
顔を洗ったら左目から天照大神が誕生
禊をした際、身につけていた衣服や袴、冠、杖や帯を投げ捨てる時には十二柱の神々が生まれたと言われています。そしてさらに、身体を洗った際には十柱の神々が御生れになりました。
そして、左目を洗った時に天照大神が御生れになったと言われており、右目を洗うと月読命、鼻を洗うと須佐之男命が生まれたのです。
天照大神が生まれた際には、イザナギは自分の首飾りを天照大神に授け「あなたは、天を支配しなさい。」と伝えたと言われています。月読命には、夜の国を治めるように伝え、須佐之男命には海原を治めるよう伝えたようです。
天照大神と天皇家との関係
次は、天照大神と天皇家との関係について解説していきます。天照大神と天皇家は非常に深い繋がりがあるのです。
天照大神は皇祖神
天照大神は皇祖神、国家神・太陽神と言う神格を持つ、非常に偉大な神です。皇祖神は本来、天照大神ではなく皇祖タカミムスヒであったと言われている説もあります。
日本書紀でも、古事記でもタカミムスヒが皇祖神だったと記載されているのです。タカミムスは、天照大神よりも先に登場している長老のような存在です。
様々な神話がある中で、7世紀末に神話の一元化を図ることになり、天武天皇がタカミムスヒから天照大神を皇祖神とする、と決断したと言われています。
女性天皇の姿が反映
本来、太陽神とはツングース系民族の太陽神の考えからすると皇室始祖の男神であるとされています。どうして女神のような造形をしているのかと言うと、女帝であった推古天皇や、持統天皇や元明天皇の姿が反映されていると言われています。
いまだに天照大神は男神であったとの説や、女性であったと言う説など様々なものがあります。ですが、一般的にはやはり天照大神は女神だと認識されています。
皇室の祖先と言われたこともある
天照大神は、孫である日子万能瓊瓊杵尊に、国を治めるように命令したと言われています。瓊々杵命は、宮崎県の高千穂で地の神と結婚し、山幸彦と海幸彦と言う神をもうけました。
山幸彦の子が鸕鶿草葺不合尊で、その子が初代神武天皇だと言われています。このようなことから、皇室の祖先は天照大神だと言われているのです。
神話上の話であるので、諸説ありますが、確かにこの説であれば天照大神が皇祖神と言うのも理解できます。
天照大神の神話
次は、天照大神の神話について紹介していきます。神様にも、様々なストーリーがあり天照大神も弟である須佐之男命のことで悩み苦しんだとも言われています。
このような神話を知ることによって、より神様も身近に感じることができるでしょう。
天岩戸に隠れた
天照大神の神話で一番有名なのが「天岩戸神話」です。天照大神の弟である須佐之男命が、田んぼの畦を壊してしまったりと、大変な暴れん坊だったと言われています。それは母を亡くしたことの悲しさからそうなったと言われています。
最初は天照大神も弟のことをかばっていましたが、あまりに須佐之男命が暴れん坊であったために、最終的には怒り悲しみ、天岩戸と言う洞窟に隠れてしまったのです。
太陽神である天照大神ですから、隠れてしまうと太陽も出ずに暗闇の世界となってしまい、作物は育たず病気になったりする人が増えてしまいました。このままではいけない…と八百万の神々が集まり相談をしました。
そして、天鈿女命が招霊の木を手に持ち、天岩戸の前で踊ったり、騒いだりしたところ、外の様子が気になった天照大神がちらりと外を覗いたのです。
そこで神々が「あなたより美しい神がいるのでお連れします」と言い、鏡で天照大神を写したところ、もう少し近くで見ようと思い、身体を洞窟から出した瞬間に思兼神が手を引き、手力男命が岩の扉を開けたと言われています。
この時の天岩戸は長野県の戸隠山まで飛んでいったと言われています。
天照大神は卑弥呼説
天照大神については、色々な説がありますがなんと、天照大神は卑弥呼だったのでは?と言う説もあるのです。
別名オオヒルメノムチが卑弥呼と符号
天照大神の別名「大日孁貴(オオヒルメノムチ)」の「ヒルメ」の「ル」は、助詞「ノ」の古語で「日の女」であると言われています。
これは、太陽に仕える巫女のことであり、陽巫女と言われていた卑弥呼(倭迹迹日百襲媛命)に符合するのです。日本書紀の「神功皇后紀」には、「魏志倭人伝」の中で卑弥呼と神功皇后が同時代の人物であるなどとの記載もあります。
天岩戸に隠れた時期が卑弥呼が亡くなった時期に相当
天照大神が卑弥呼と言われる理由はほかにもあり、卑弥呼が没したと言われている近辺の247年、248年に北九州地方で皆既日食があったと言われています。
この時期は天照大神が天岩戸に隠れた時期に一致していると言う説があるのです。つまり、卑弥呼が生きていたと言われる時代と、天照大神の時代が重なっていたことから、卑弥呼が天照大神だったのでは?と言われているのです。
卑弥呼にも、弟がいたと言われていますし、天照大神にも須佐之男命と言う弟の存在があります。このように共通点が非常に多いのです。
卑弥呼説には問題点もある
天照大神は卑弥呼だったと言う説は、問題点もあります。「記紀」によれば神武天皇は卑弥呼よりもはるかに古代の人物だと言われているので、系譜としては繋がらないのです。
そして、天照大神と言う神格が天武天皇のころに始まったと言われています。となると、太陽神を天皇の祖先だとする考え方も噛み合わないものとなってくるのです。
そして先にも紹介したように、天照大神は男であると言う説もあり、そのようなことから実際は天照大神と卑弥呼は無関係である…とも言われています。
天照大神が祀られている神社
では、天照大神が祀られている神社を紹介していきます。非常に神聖な場所ですので、参拝する際はしっかりとマナーを守って参拝するようにしましょう。
伊勢神宮内宮
三重県にある伊勢神宮の内宮(皇大神宮)に天照大神が祀られています。「お伊勢さん」「大神宮さん」などと呼ばれて多くの人に親しまれています。
外宮には天照大神のお食事を司り、豊受大御神をお祀りしています。内宮はなんと2000年もの歴史があります。天照大神は、諸国を巡っており、その際に伊勢がすばらしいのでここに鎮座すると告げ、伊勢に鎮座したと言われています。
伊勢神宮に訪れた際は、まず先に外宮を参拝するのがマナーです。その後内宮へ参拝しましょう。そして、内宮は右側通行ですが外宮は左側通行となっています。
天岩戸神社
天照大神の神話にも登場してくる天岩戸が実際にあるのが、宮崎県高千穂町にある「天岩戸神社」です。天岩戸を御神体としてお祀りしている神社です。
天岩戸神社の西本宮には本殿は存在せず、天岩戸遥拝所が拝殿の裏にあり、そこから天岩戸を参拝できるようになっています。西本宮参拝後は東本宮にも参拝をしましょう。
そして、西本宮から徒歩10分ほどで到着する天安河原は、八百万の神様が集まって、どうすれば天照大神が天岩戸から出てくるかどうかを相談した場所だと言われています。
今宮戎神社
大阪市浪速区恵美須西一丁目にある今宮戎神社は、商売繁盛の神様「えべっさん」で多くの人に親しまれている神社です。毎年1月9日〜11日に行われる「十日戎」では3日間で100万人もの参拝客が訪れると言われています。
天照皇大神、事代主命、外三神を祀っています。十日戎の際には非常に多くの人で賑わっていますが、普段はとても穏やかな場所です。
商売繁盛にご利益がある神社として知られており、大阪のパワースポットとも言われています。
大御神社
宮崎県日向市にある大御神社は、創建されたのは伊勢神宮よりも遥か先なのですが、「日向のお伊勢さん」と呼ばれ親しまれています。
天照大神をお祀りしており、境内には「さざれ石」や5000年も前からあると言われている龍玉があり宮崎県でも有名なパワースポットとして知られています。
少し先へ行くと鵜戸神社があり、そこでは海岸洞窟の摂社があり、その祠の前から振り返って見てみるとまるで龍が天に昇っていっているかのような景色を眺めることができます。
廣田神社
兵庫県西宮市大社町にある廣田神社は、天照大神の荒魂をお祀りしている神社です。就職や転職、結婚や出産など、これから何かを始めようとしている方に神力を発揮すると言われています。
運気が上昇すると言われており、兵庫県のパワースポットとして知られている場所です。正式には「撞賢木厳之御魂天疎向津姫命」とお祀りしており、それを短くすると「天照大神荒魂」となります。
天照大神はとても偉大な神
これまで解説してきた通り、天照大神は八百万の神々の中でもトップに降臨している神様で、非常に偉大なる神と言われています。
太陽神である天照大神は、人に災いをもたらさないと言われており、それが偉大なところでもあります。全ては天照大神から始まったと言っても過言ではありません。
天皇はこの天照大神を祀ることで、国民の繁栄と平和を願っているのです。
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